一回換気量

一回換気量 VT  tidal volume

・10 mL/kg を超えないようにする。

・正常6-8 mL/kg

 

例:体重50kg なら、

正常 300 - 400mL, 500 mL を超えない

 

*より正しくは、理想体重に対して10 mL/kg以下でコントロールする。

男性:50+0.91×(身長-152.4)
女性:45.5+0.91×(身長-152.4)

 

*分時換気量低下アラームについて

補助換気作動下での分時換気量値より高値に設定すると、自発呼吸の低下をピックアップする事ができる

プロポフォール の使い方

経静脈の鎮静剤の代表例。通称「眠る牛乳」。下記DIから求めた凡その値!

**小児で禁忌!!(propofol infusion syndrome 起こしうるから)**

 

TIVA(全身麻酔の時)

体重50kg の人で、

導入10 ml → 維持 20-50 ml/h  (吸入麻酔と違って効きの個人差が大きから!)

min アンプル 1本、Max 瓶1本/h と考えると覚えやすい

 

人工呼吸器管理

体重50kg の人で、

維持 1.5-15 ml/h

AOS R(現在最多の全身麻酔)

2018年 現在最多の全身麻酔方法。

A = Air

O = Oxygen

S = Sevoflurane セボフルラン (吸入麻酔薬)

 +R = Remifentanil レミフェンタニル (鎮痛薬)

 

麻酔の三要素は鎮静鎮痛筋弛緩 なのに、AOS+R って表現だと筋弛緩が入ってない。

筋弛緩≒ロクロニウムで当たり前だからかな。

 

<AOS-Rの実態>

鎮静: セボフルラン(吸入麻酔薬)だけでは導入が遅い & 患者さんに嫌な臭いがする ため、プロポフォール(静脈麻酔薬)で急速導入してからセボフルランで維持する

鎮痛;レミフェンタニルに加え、術中侵襲に対してフェンタニルで調整する事が多い

 

全身麻酔の今後の動向>

TIVA

10年ほど前の経静脈麻酔薬(鎮静剤) プロポフォールの認可後広まりつつあるのが、TIVA (total iniravenous anesthesia) 全静脈麻酔法。(=吸入を使わないってこと)

 利点:吸入麻酔を使わないのでOPE室/大気汚染がない、OPE室以外でも使える

 問題点:吸入麻酔にくらべ効き具合に個人差が大きい 

 解決策: TCI (total controlled infusion),  BIS モニター(脳波モニター) を使用する

プロポフォールは小児で原則禁忌(propofol infusion injury)

 

AOD-R

最近 吸入麻酔薬(鎮静剤) デスフルラン(切れが良い)が発売され、今後 AOS-Rでなく、AOD(デスフルラン)-R になる過可能性も有る

 

*用語 

TCI (total controlled infusion)

BIS モニター(bipercel index二波長指数)。脳波モニター。0(脳死)-100(覚醒)。麻酔中は40-60を保つ。 

エントロピー モニター;脳波 EEG (electroencephalogram)、前額部筋電図 fEMG (frontal electromyogram) から求めた覚醒度を表す値。SE(state entropy, 0-91), RE(response entropy, 0-100)があるが、麻酔中は いずれも40-55 を保つ。

 

点滴速度

1秒に1滴 = 180 ml/h

・(1秒に1滴)=(1時間に60×60=3600滴)=(1時間に3600/20=180ml)

   ∵  20滴 = 1ml 

 

60 ml/h= 3秒に1滴  ∵ 180/60 = 3( ≒ 1500 ml/日)

40 ml/h= 4.5秒に1滴  ∵ 180/40 = 4.5( ≒ 1000 ml/日)

  

ちなみに小児用のルートなら、60滴 = 1 ml なので、1秒に1滴 = 60 ml/h。

実感を掴むには速度設定した輸液ポンプを見ると良いかも

 

参考;開腹手術なら300ml/h くらいで保つ

鎮静

麻酔の3要素 鎮静 鎮痛 筋弛緩  の一つ。

●鎮痛→鎮静(疼痛が有ると鎮静もなかなか効かない)

●持続静注に使える鎮静薬:ミダゾラムドルミカム)・プロポフォール(ディプリバン)・ケタミン(ケタラール)・デクスメデトミジン(プレセデックス)

 

プロポフォール(ディプリバン) 導入・切れが良く最も使われる。

ケタミン(ケタラール)「解離性麻酔薬」=新皮質と視床だけ抑制、辺縁系網様体賦活系は活性化 → 血圧・心拍数 低下なし、呼吸抑制も少ない。筋注もあり。

 じゃあなぜプロポフォールに負けてるのか?→切れが悪い・悪夢がある

ミダゾラムドルミカム);BZP自体の副作用がある+鎮静が深いためICU滞在延長しがち→プロポフォールに押され気味。

デクスメデトミジン(プレセデックス) 使用期間5日間を超える場合はエビデンスが少ない

 

★TIVA 全静脈麻酔薬 total intravenous anesthesia : 吸入を使わない、IVのみ の 鎮静+鎮痛+筋弛緩。

 

 

 

院内肺炎

院内肺炎:入院48時間以降の肺炎

I-ROAD

 cf. 市中肺炎:A-DROP(Age, Dehydration, Respiration, Orientation, Pressure)

① 

・Immunodeficiency: 悪性腫瘍または免疫不全状態

・Respiration: SAT>90 維持するためにFiO2>35%(≒4Lカヌラ)を要する

・Orientation: 意識レベルの低下

・Age: 男性>70歳、女性>75歳

・Dehydration: 乏尿/脱水

 

CRP≧20・胸部Xp一側肺の2/3以上

 

<抗菌薬の選択>

① 該当項目 ≦2/5 項目 & ② 該当なし→ 第三セフェム・βラクタマーゼ配合ペニシリン(軽症群肺炎球菌・インフルエンザ菌・クレブシエラ) 結局セフトリアキソンとか。

① 該当項目 ≦3/5 項目 or  ② 該当あり:緑膿菌も鑑別に含める

  中等症群:第三・四セフェム・クリンダマイシン

  重症群:上記に加えて アミノグリコシドニューキノロンを。

 

小児の熱傷

小児の熱傷

・熱傷の範囲を評価;5の法則 小児は体幹前20、後20 (乳児は頭が20・小児は15) Burn index 10%以上で重症 (70%以上だと死亡率95%)

・熱傷の深さを評価;

  紅潮のみ→1度  (EB epidermal burn)

  水疱・疼痛あり→2度 (SDB superficial dermal burn 10日・DDB deep dermal burn 3週間)

  疼痛なし→3度  (DB deep burn)

・ワセリンで保護、エスアイエイドで被覆

・輸液;

とりあえず、

 14歳-大人 500ml/h

 6-13歳   250ml/h

 -5歳    125ml/h 

で初めて、熱傷面積 が判明したら、

Baxter の公式(Parkland法) 乳酸化リンゲル4×熱傷面積(Burn indexとの混同に注意)×体重(kg) 、乏尿にならないようにする(大人 0.5ml/kg/h)

 受傷後 24 時間の総輸液量=4ml×TBSA(%)×体重(kg)

(小児の場合,受傷後 24 時間の総輸液量=3ml×TBSA(%)×体重(kg))

  ● 受傷初期 8 時間:総輸液量の 50% を投与

  ● 次の 16 時間に残り 50% を投与


・感染対策;汚染創・DM(易感染)・小児・周術期。推奨度C1。 (成人では通常推奨はされない)