プロポフォールとTCI

TCI: Target Controlled Infusion, 目標血中濃度調整投与

目標血中濃度、体重 を設定すると、適切な投与速度を自動で計算して投与してくれる。(年齢も設定するが、計算に実際用いているのは目標血中濃度・体重のみ。)

対象薬剤は主にプロポフォール(ディプリバン®)。

方法:テルモのテルフュージョン®シリンジポンプに、対応のディプリバン プリフィルドシリンジ を装着して行う

・なぜプロポフォールにはTCI? →他の麻酔薬と違って、プロポフォールは投与速度で麻酔深度をコントロールするには繊細過ぎる(濃度調整が難しい)から。TCIを使っても個人差が大きく、一定の鎮静レベルを達成するには全身麻酔での使用の際は脳波モニターを装着することが望ましい。

 

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www.terumo.co.jp

 

TCIの目標濃度

維持 目標血中濃度 2.0-5.0 μg/mL  (TCIでない場合、4-10 mg/kg/h = 0.4-1.0 mL/kg/h)

導入 目標血中濃度 3.0 μg/mL で開始、3分経って適切な就眠が得られなければ、1分ごとに1-2μg/mL ずつ目標血中濃度を上げる。(ASA Ⅲ(麻酔前評価で重度の全身疾患)以上・高齢者にはもっとゆっくり)

 

<その他のTCI知識>

・健常者10人程度からパラメーターが求められている(意外と少ない…)

・TCIモードの適応範囲:16-100才、30-150kg(もっと重い人はどうするんだろう?子供はNGだし100歳以上でOPEできる体力の方は少ないから年齢は問題ない気がするが。)

 

<その他のプロポフォール知識>

・★子供NG!! cf. 女子医大事件

・悪心嘔吐は少ない(全身麻酔後の悪心の頻度は3割程度)

・導入時の血管痛がある(血管内皮を傷害するから?詳細不明。訴える方は非常に多い)

・最近が繁殖しやすいため、冷蔵保存と言われていたが、今は凍結を避けて室温(1-30℃)で良いらしい(by 丸石製薬会社)