糖尿病治療薬
★経口血糖降下薬:7種
★注射薬:2種類
経口血糖降下薬
以下の7つ。各グループの中で★が使われやすい。その他は主に副作用の観点で★の薬に劣る。
①抵抗性改善
・ビグアナイド★
・チアゾリジン(浮腫などの副作用が出やすい)
②分泌促進
・SU(食事に非依存性なので低血糖を起こしやすい)
・グリニド(食事に非依存性なので低血糖を起こしやすい)
・DPP-4阻害薬 ☆ 食後血糖の上昇に応じて血糖をさげるので低血糖になりにくい(経口の中では優先だが(参考)の理由で注射薬のDLP-1受容体作動薬が優先)
③吸収阻害
・α−GI(腸管に糖が溜まって最近が分解することによってお腹が張ったりする)
・SGLUT-2阻害薬★
トレシーバ → ビグアナイド・チアゾリジン・SU薬・SGLT-2 トレシーバ
ノボラピッド→グリニド・DPP-4i・αGI
注射薬(2つ)
・インスリン
・GLP-1受容体作動薬 :New!
参考)
DPP-4阻害薬とGLP-1・GIPの関係
1型糖尿病 の自己管理(カーボカウント・500ルール・1800ルール)の実際
1型糖尿病では、2型糖尿病 と違って 食事制限・間食の制限 必要なし!
その代わり、これから食べる食物中の炭水化物(g)をカウントして(カーボカウント)、
必要インスリン量を自分で計算して(by「500ルール」「1800ルール」)打ってから食べる
* 炭水化物のみカウントする理由;3大栄養素のうち、脂質・蛋白質と違い、直ぐに吸収されて血糖値を上げるため。
まずは「カーボカウント」「500ルール」「1800ルール」 を学んで習得してもらう。
・カーボ = carbohydrate, 炭水化物。
・「500ルール」:これから食べる炭水化物量に対し、必要なインスリン単位数を計算する
1単位のインスリンで打ち消せる炭水化物量(g) = 500 ÷ 1日の総インスリン単位数
・「1800ルール」:前回血糖値(4検)の高かった分を下げるのに必要なインスリン単位数を計算する
1単位のインスリンで下がる血糖値(mg/dl) = 1800 ÷1日の総インスリン単位数
→ 「500ルールで求めた単位数」+「1800ルールで求めた単位数」= 打つべきインスリン単位数
例題)
Aさんの場合
昨日のインスリンと血糖値
朝食前ノボラピッド(超速効型インスリン) 4単位 朝食前血糖値 112
昼食前ノボラピッド(超速効型インスリン) 5単位 昼食前血糖値 130
夕食前ノボラピッド(超速効型インスリン) 5単位 夕食前血糖値 155
眠前トレシーバ (持続インスリン) 6単位 眠前血糖値 125
→1日の総インスリンは (4+5+5+6=) 20 単位
本日の朝食前血糖値205, これから食べる食事に含まれる炭水化物が75g だった場合、昼食前は何単位打てばいいか?
解答)
①「500ルール」でこれから食べる炭水化物量に対し必要なインスリン単位数を求める
・「500ルール」:1単位のインスリンで打ち消せる炭水化物量(g) = 500 ÷20 = 「25」
これから食べる炭水化物量 75g
→ 打ち消す為に必要なのは 75÷ 25 (500ルールより) = 3単位
② 「1800ルール」でもともと高かった分の血糖値を補正
・「1800ルール」:1単位のインスリンで下がる血糖値(mg/dl) = 1800 ÷ 20 = 「90」
(この数を"インスリン効果値"という)
朝食前血糖値 205 mg/dl、朝食前の理想血糖値は<130なので、あと90くらいは下げていい。
→1単位補正に必要
故に、 3単位 + 1単位 =4単位
★参考:50 ルール
1カーボ=10g 炭水化物 (or欧米では15g) として食事 のカーボ数を表し、1カーボをうち消すのに必要なインスリン数(インスリン/カーボ比)をかけて必要インスリン数を求める方法。
要は500ルールに「カーボ比」という概念を挟んで計算してる。私的には500ルールの方が分かりやすい気がする。
★理想血糖値
血糖値は、通常4検
・朝食前 (眠前 持続型インスリンが決める) <130 が理想
・昼食前 (朝食前 超速効型インスリンが決める)
・夕食前 (昼食前 超速効型インスリンが決める)
・眠前 (夕食前 超速効型インスリンが決める)
多発性骨髄腫診断基準
診断基準(国際骨髄腫作業部会 IMWG International Myeloma Working Group)
「症候性骨髄腫」
=血清M蛋白 or 尿中M蛋白 + 骨髄中形質細胞>10% or 形質細胞腫 + 臓器障害
★臓器障害:CRAB O (Ca, Renal, Anemia, Bone, Other)
・高Ca(>11mg/dl) or 基準値+1以上
・腎不全(Cr >2mg/dl)
・Hb(<10g/dl)or 基準値−2 以下
・骨粗鬆症 +(溶骨病変 or 圧迫骨折)
・過粘稠症候群 or アミロイドーシス or 年2回以上の細菌感染
診断後
・重症度分類(予後の予測には役立つがこれによる治療方式には未だ違いはない)
ISS (International Staging System) 血清β2ミクログロブリン・アルブミン 値のみで決定
+高リスク病型・標準病型 (FISH・染色体分析)
参考)
その他の形質細胞腫 (by IMWG)
・MGUS(M蛋白出てるけど<3で臓器障害-)
・無症候性骨髄腫(M蛋白>3 or 形質細胞>10% だけど 臓器障害-)
・症候性非分泌骨髄腫(M蛋白- だけど形質細胞>10 / 形質細胞腫+, 臓器障害+)
・骨の孤立性形質細胞腫(ただ一箇所の形質細胞腫による骨破壊のみ)
・髄外性形質細胞腫(形質細胞腫のみ)
・形質細胞白血病(末血形質細胞>2000/μL, 形質細胞分画>20%)
臓器障害があるのは、「症候性骨髄腫」「症候性非分泌骨髄腫」のみ。この2つの違いは、M蛋白認めるか否か(血清でも尿中でもいい)。
参考文献
日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年度版