多発性骨髄腫診断基準

診断基準(国際骨髄腫作業部会 IMWG International Myeloma Working Group)

「症候性骨髄腫」

血清M蛋白 or 尿中M蛋白骨髄中形質細胞>10% or 形質細胞腫臓器障害

 ★臓器障害:CRAB O (Ca, Renal, Anemia, Bone, Other)
   ・高Ca(>11mg/dl) or 基準値+1以上

   ・腎不全(Cr >2mg/dl)

   ・Hb(<10g/dl)or 基準値−2 以下

   ・骨粗鬆症 +(溶骨病変 or 圧迫骨折)

   ・過粘稠症候群 or アミロイドーシス or 年2回以上の細菌感染

 

診断後

・重症度分類(予後の予測には役立つがこれによる治療方式には未だ違いはない)

ISS (International Staging System) 血清β2ミクログロブリンアルブミン 値のみで決定

高リスク病型・標準病型 (FISH・染色体分析)

 

 

参考)

その他の形質細胞腫 (by IMWG)

・MGUS(M蛋白出てるけど<3で臓器障害-)

・無症候性骨髄腫(M蛋白>3 or 形質細胞>10% だけど 臓器障害-)

・症候性非分泌骨髄腫(M蛋白- だけど形質細胞>10 / 形質細胞腫+, 臓器障害+)

・骨の孤立性形質細胞腫(ただ一箇所の形質細胞腫による骨破壊のみ)

・髄外性形質細胞腫(形質細胞腫のみ)

・形質細胞白血病(末血形質細胞>2000/μL, 形質細胞分画>20%)

臓器障害があるのは、「症候性骨髄腫」「症候性非分泌骨髄腫」のみ。この2つの違いは、M蛋白認めるか否か(血清でも尿中でもいい)。

 

参考文献

日本血液学会 造血器腫瘍診療ガイドライン 2013年度版